カーボンオフセットプロジェクトについて知る
私どものプロジェクトは、二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、途上国の人々の健康増進などにも貢献しています。現在のプロジェクトでは、バングラデシュでの調理方法の改善とインドでのクリーンエネルギーの創出に取り組んでいます。
ボンドゥチュラ調理用ストーブ(バングラデシュ)
バングラデシュに住む3,500万世帯のうち、環境に良い方法で調理をすることができる世帯はその20%にも及びません。伝統的な方法として、彼らは石を組んだ直火で調理を行いますが、そこからは煙と有害な汚染物質が放出されています。このため、年間約5万人が早期に亡くなり、数百万もの人々が呼吸器系の感染症に苦しんでいます。
ボンドゥチュラは、より効率的で環境に優しい調理のために開発がされたストーブであり、別名「フレンドリーストーブ」とも呼ばれています。燃料消費量を約50%削減できるため、家庭では可処分所得が増え、健康増進にもつながっています。また、このプロジェクトでは、5,000人以上の地元の起業家と協力のもとストーブの生産、流通、アフターサービスを行うことにより、雇用機会の促進にもつながっています。
太陽熱温水器(インド)
インドでは、推定2億4,000万人が電気の通っていない環境で暮らしています。また、電気が供給されている人々は、主に化石燃料を使用した電気に頼って給湯行っていますが、これは環境と健康に害を及ぼす可能性があります。
このような背景に対して、太陽熱温水器は一般家庭や中小企業、および施設に再生可能エネルギーを利用した自家給湯を提供することを目的としています。プロジェクトでは、CO2を大量に排出する電力網を太陽エネルギーへと置き換えることにより、年間約12万トンの炭素排出量の削減が可能だと試算されています。また、すべての太陽光発電製品がバンガロールで製造されることにより、地元住民の雇用機会も多く創出されています。さらにこのプロジェクトは、新たなエネルギーインフラの整備や、国内での普及拡大にも貢献しています。
四川省 家庭用バイオダイジェスター(中国国内)
四川省の農村地域は、中国国内で最も開発が遅れている地域の一つです。このプロジェクトでは、農村部の家庭の生活を向上させるため、低所得者層が動物の排泄物をクリーンなエネルギー源と高品質の有機肥料に変換できるよう、小規模なバイオガスプラントを配布しています。このプラントは、糞尿の消化や、嫌気性消化の過程でメタンの副産物(バイオガスなど)の回収を行い、家庭の燃料や肥料にかかる費用の節約に貢献しています。
年間約80万トンの温室効果ガス排出量を削減することに加え、このプロジェクトは農村地域の大気質や衛生環境も改善させています。このような設備が導入される前は、各世帯はエネルギー需要のために石炭などの固形燃料を使用し、家畜の排泄物は通常、周辺の水域や村の排水システムに廃棄が行われていました。