サメの保護にむけた3つの取り組み
恐竜の誕生以前から、サメは4億年にわたって地球上で繁栄してきました。しかし乱獲の影響により、その数は急速に減少しつつあります。ヒレ、肉、皮、肝油、軟骨を求めて、毎年1億匹以上のサメやエイが捕獲されています。また、マグロなどの魚をねらって仕掛けられた釣り糸に引っかかってしまうこともあります。
中国南部では、フカヒレスープは結婚披露宴や特別なイベントでふるまわれる高級料理で、主催者の富や気前のよさを示すものとされています。フカヒレ1枚に2万USドルの値がつくこともあります。しかし、残りの部位は価値がさほど高くないため、漁師はヒレのみを切り取り、その後サメを海へ投げ捨ててしまいます。ヒレを失い、泳げなくなってしまったサメは、ゆっくりと死を迎えることとなります。
では、なぜサメの存在が重要なのでしょうか? サメは食物連鎖の頂点に立ち、海洋生態系のバランスを維持する上で重要な役割を果たしています。サメの個体数の減少は、世界中の何百万人もの人々が食料面と生活面で依存しているサンゴ礁の生殖にすでに影響を及ぼしつつあります。
この問題に対して、私どもは3つの取り組みを行っています。
- キャセイパシフィックのスタッフ:2011年に持続可能な食品に関する方針を発表し、オフィスや社内イベントにおいてフカヒレや他の絶滅危惧種の提供を行わないことを表明しました。
- お客様:機内でのフカヒレの提供は行わず、海産物は可能な限り認証がされたものを使用しています。2017年には、370トンを超える持続可能な認証海産物を購入しました。
- 貨物:私どもはさまざまなNGO団体や関連団体と長年にわたって協力し、サメを保護する活動に取り組んでいます。2016年には、キャセイパシフィックの全便においてフカヒレの輸送を全面的に禁止することを発表しました。持続可能な開発に関する貨物輸送方針はこちらからご覧ください。
切断されたサメのヒレが波止場に干されている様子