ご利用のウェブブラウザをアップグレードしてください
お使いのブラウザはサポートされていません。当サイトを最適な状態で閲覧できるよう、ブラウザをバージョンアップされることをおすすめします。サポートされているブラウザの一覧をご確認ください。
パンデミックでFly Readyができるまで

キャセイパシフィックのグローバルエアポート担当責任者であるルーシー・マックは、複雑な渡航制限を克服しお客様を手助けするために、どのように新しいFly Readyポータルを導入したかを説明します。

パンデミックでは、お客様へのサービス提供や航空会社の運営において多くの新たな課題に直面しました。たとえばグローバルエアポート担当責任者であるルーシー・マックは、検査機関の認定評価の追跡、ホテルの予約、搭乗者のチェックインを支援する新しいシステムの開発など、通常業務とは異なるさまざまな業務をこなすことを余儀なくされました。

パンデミック以降に施行された渡航制限は、厳しく、複雑で、常に変更される可能性がありました。そのためお客様や空港スタッフに多くの問題が生じ、一部のお客様は条件を満たしていないために搭乗を拒否されることもありました。

マックは、次のように説明します。「香港港湾局の規制には、データや文言に関して特に細かい要件がありました。」 「たとえば、検査証明書と渡航書類に記載されている搭乗者の氏名は、完全に一致している必要がありました。片方の書類には中国語名のみで、もう片方の書類には英語名が追加されている場合、有効な検査証明書として認められません。」

「もう1つの例は、検体の採取時刻の記載が必要だったことです。検査時刻ではなく、検体が採取された時刻が必要でした。さらに、検査機関がISO15189認定を受けていることの証明も必要でした。検査機関自らの証明だけでは不十分で、証明となる書類が別途必要でした。」とマックは続けます。「お客様だけでなく、空港チームにとっても、これらすべての書類を確認することがいかに大変であったかはご想像いただけると思います。」

当初、マックと現場サポートチームは、インターネットでの情報収集や正しいデータを入手するための検査機関への電話による問い合わせなど、あらゆる方法でお客様のお手伝いをするために対応しましたが、チェックインカウンターでできることには限界があることがすぐにわかりました。

「シドニーから到着したご家族の例では、予約していたフライトがキャンセルになり前日の便に振り替えられたのですが、隔離用のホテルが部屋を確保できず、家族はパニックになっていました。午前中ずっとホテルと電話で話し、やっと元の予約に1泊追加してもらえるように交渉できました。」

このような問題に対処できるように、チームはFly Readyを2か月という短時間で開発しました。Fly Readyは、お客様が事前に書類をアップロードできる新しいポータルで、これを利用することで、キャセイパシフィックは必要な書類がすべてそろっていることを確認でき、不備がある場合はお客様にお知らせすることができました。

また、チェックインの長い行列を避けて、Fly Ready専用レーンを利用できるため、空港での時間を安心かつ快適に過ごすことができました。また、ポータルを利用することで、キャセイパシフィックが新しい規則や制限をすべて順守していることを確認できたのです。違反により深刻な結果がもたらされる可能性があったため、それも重要な点でした。

「仮に不履行があり規則に違反した場合は、経路の一時停止や、1件につき約50,000香港ドルの罰金が科せられるなどの深刻な問題につながっていたかもしれないからです。また、個人は6か月の禁固刑に処せられる可能性もありました。そのため、あらゆる決断に大きな責任が伴いました」と、マックは当時を振り返りました。

Fly Readyの導入により、お客様や空港スタッフの負担は軽減され、これまで入国者の約半数がこのサービスを利用して10,000件のケースが取り扱われました。しかし、マックと3名のグローバルエアポートチームおよび経営陣サポートチームに大きな負担がかかることにもなりました。

最初の9か月間は、Fly Readyポータルから送られてくる多くのケースに、この4名だけで対応していました。つまり、24時間365日体制で待機して、頻繁に変更される複雑な新しい渡航制限を全員が順守できるよう、送られてくる機密性の高い搭乗者データを取り扱わなければなりませんでした。

「最初の9~10か月は、地獄のようでした」と、マックは笑います。気がつくと、マックは検査機関の規制を調べる専門家になっていました。

マックはまた、規則不履行の疑いがある90件の事案に関して、警察との話し合いへも対応が必要でした。幸いなことに、チームは必要な調査を十分に行っていることを証明でき、以来Fly Readyは、規則不履行のケースを1つも見逃すことなく、疑わしいケースを解決するための便利なツールとして活用されました。

「規則不履行のケースが1件でも発生すると、会社にとって大きな問題となることを理解していたことが原動力となり、チャレンジ精神を持って取り組むことができました。」とマックは語りました。「これまでのチームの懸命な努力に感謝しています」

Fly Readyのケースの手続きに携わるため、チームには新たに20名のスタッフが加わりました。新しいスタッフには、4か月にわたる徹底した事前研修が実施されました。

「お客様にできないと言って搭乗をお断りするほうが簡単であり、手を差し伸べるほうがはるかに難しいことは承知していましたが、私たちは全力を尽くしたいと考えました」と、マックは言いました。「お客様の役に立てたことを実感できると、満たされた気持ちになれるのです。」

フライトのストーリー

お客様や地域社会に貢献したスタッフのストーリーをご紹介します。

  • クローズドループの日記

    キャセイパシフィックのパイロットが、5週間のクローズドループシステムの中で綴った日記についてお伝えします。

    詳細を見る
  • クローズドループとは

    大切な人と最長49日間にわたり離れて暮らすこととなった勤務制度についてご紹介します。

    詳細を見る
  • 空を飛ぶことへの誇り

    空を飛び、地域社会に貢献することに喜びを感じたパイロットのストーリーをご紹介します。

    詳細を見る
  • 駐機と再稼働:パンデミック下での航空機の保管方法

    70機を超える貴重な資産が、オーストラリアの砂漠にあるアリススプリングスに保管されていました。

    詳細を見る